ひまわり

 夏の終わりの1日、ひまわりをみにいってきました。

その日、雨に濡れていたひまわりのことを思い出すと、

1週間も迷走していた台風のこと、それにまつわるいろいろなことを

思い出します。

その思い出に、台風とは関係のないおまけがひとつ加わりました。


ひまわりをみにいくことになったとき、私は

何を着ていこう?と考えました。

おばちゃんになっても、目が見えなくなっても、

何を着ていこうかと考えると気分が華やぐ。

そんな自分にちょっとくすぐったい気持ちになりつつ、

思いを巡らします。

茶色の小花模様のワンピースも、紺のリネンのワンピースも、

シンプルな黒の膝丈スカートも、なんだかひまわりにはしっくりこない。

それで思いきってひまわり柄のスカートを注文したのですが、

届いたのはひまわり畑におでかけした翌日でした。

間に合わないかもしれないと思いながらの注文だったので、そのこと自体は

さほどがっかりもしなかったのですが、せっかく届いたスカート、今年のうちに

1度ぐらいは履きたいような気がします。

でも、夏の終わりの1日に間に合わなかったひまわりのスカートを

今年履くとなると、必然的に秋の初めに履くことになってしまいます。

私は考えました。

ファッションの世界では、いつも季節の先取りがよしとされるけど、

置いていく季節を慈しむファッションだって素敵じゃないかと。


そんなわけで、秋のはじまりのある日、私は

おニューのひまわり模様のスカートを履いて出かけました。

白杖片手に、少なくとも気分は颯爽と。

そんな私に、声をかけるかたがありました。

「あの、スカート裏返しに履いておられますよ」と・・。


夏の終わりの日、降りしきる雨に咲くひまわりは、

思い出す度、苦笑いを誘います。

けれども、視界の中でかすかに揺れていた鮮やかなひまわりの群生は、
少しうつむいてはいたけれど、命の美しさをまとって凜としていました。

雨の日もあれば、うまくいかないこともある。

それでも胸を張って生きよう・・



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