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花束

先日、ひょんなご縁で親交の深まった大切な友人がコンサートを開催された。 素敵なコンサートに、私も小さな花を添えられたらいな、と思った。 でも、見えない花屋にたどり着き、見えない花を選ぶのは とてもハードルの高いこと。 そう思っていた矢先、ちょうど前日に娘と食事をすることになったので 帰りに花屋に寄ってもらうことにした。 そうして小さな願いは実現へと向かった。 ところが花屋にいってみると、暑い季節には、なるべくなら前日より当日に 取りにきてもらったほうがよいとの店員さんの助言。 そのお店は、コンサート会場からそう遠くはなかったのだけど、 一人でたどり着けるかを思うと心がひるんだ。 それでも、少し疲れてコンサートに向かう自分と、少し生気をなくしてしまった花束とを 思い浮かべると、やはりお花が元気なほうがよいと心が決まった。 注文だけを済ませて花屋を出たあと、私たちはバス停に引き返した。 バス停から花屋まで、花屋からコンサート会場へいくための最寄り駅まで。 一緒に歩きながら、娘は私がひとりでも歩けるよう丁寧に道の手がかりを教えてくれた。 コンサート当日、ハードルは思った以上に高かった。 バスは想定していたのとは違うバス停に下車し、そうと気づかない私は あっけなく道に迷ってうろうろ。 花屋を出た後も、スクランブル交差点の渡りかたがゆがんでいたのか、 お店を出て数分も経たないうちに方向を見失い、 文字通り壁に進路を絶ち塞がれて立ち往生。 そんな私に、実に多くの方々があたたかな声をかけてくださった。 私の拙い説明で花屋を見つけ、一緒に歩いて店員さんへのお声かけまでしてくれた方。 「あとは大丈夫です、ありがとうございます」といったんわかれた後も 気にしてくれていたらしく、数分後にもう一度声をかけてくれた方。 駅の改札を教えてくれたばかりか、「敬老乗車証があるから」と ホームまでご一緒してくださった方・・。 待ち合わせ場所に着いたとき、私は十分すぎるほどに歩き回っていたけれど 疲れは全くなかった。 花束も、すこしさわってみたけれど、シャキッと元気そうだった。 その花束は、受付で、他のたくさんの花束立ちと一緒になった。 私には、その花束も、他の花束も見ることはできなかったけど、 きっとその小さな花束は、どんな立派な花束に囲まれても埋もれてしまうことなく、 どの花束より誇り高く輝いてそ...

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